[レポート]Amazonのサステナビリティへの取り組み – Monday Night Liveの講演より #reinvent
オペレーション部 江口です。
re:InventにてKeynoteに先がけて行われた12/2(月)に行われたMonday Night Liveでは、大きなサービス発表はなかったものの、AWSのさまざまな取り組みについて紹介されていました。
講演後半では、Amazonのサステナビリティ、すなわち環境を持続可能にするための取り組みについて話されました。環境問題はいま大きな問題として注目されているトピックですので、このレポート記事で内容を詳しくお伝えしてみたいと思います。
なおMonday Night Live全体の動画はすでにYouTubeにアップロードされています。ここで紹介するサステナビリティについては、だいたい1時間22分ごろから話されています。
内容
Climate Pledgeの発足とAmazonの担う役割
- Amazonは今年、2040年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロを目指す「Climate Pledge」を発足させた
- 2040年という目標はパリ協定の合意2050年よりも10年早い
- Amazonは二酸化炭素ネット排出量ゼロを進めるためのシミュレーションや製品/サービスの開発に対して重要な役割を担う
- Amazonは「Climate Pledge」への署名にあたり、3つの重要なコミットメントを行なった
- 定期的な温室効果ガス放出量の測定・レポート
- パリ協定に沿った脱炭素化の戦略(再生可能エネルギーなどの促進を含む)
- 残りの(二酸化炭素などの)排出を、現実(real)に、恒久的、かつ社会的に有益な方法でオフセットし中和する
- 最後のコミットメントのキーワードは「real」。オフセット(注:環境保護の投資などの活動により埋め合わせを行うこと)は実際に二酸化炭素を減らす活動でなければならない。
Climate Pledgeのタイムライン
- Amazonは2024年までにグローバル拠点で再生可能エネルギーの割合を80%とする
- 2030年には上記を100%にする
- 2040年に二酸化炭素ネット排出量ゼロを達成する
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再生可能エネルギーにするだけでは二酸化炭素ネット排出量ゼロは達成できない。Amazonのさまざまなビジネスで、二酸化炭素の排出が発生する
- 例として荷物の輸送のためのタンカーや飛行機の利用など
- データセンターの建造もさまざまな方面で二酸化炭素の放出が発生
- そのため、輸送、建造、運用などさまざまな面で削減が行えるよう、開発に取り組んでいる
Amazonの再生可能エネルギーのプロジェクト
- Amazonの再生可能エネルギーのプロジェクトの前年の現状:
- 4つの風力発電、6つの太陽光発電のプロジェクト
- 北アメリカのみで展開
- キャパシティ:946メガワット
- 今年、新たに5つの風力発電、3つの太陽光発電のプロジェクトを立ち上げ(キャパシティ:562メガワット)
- アメリカだけでなく、EUでもプロジェクトを展開(アイルランド、スコットランド、スウェーデン)
- 今夜(=Monday Night Live当日)、さらに6つのプロジェクトを新たに立ち上げることをアナウンスする
- 5つの風力発電、1つの太陽光発電(キャパシティ:711メガワット)
- アメリカ、EUに続いてオーストラリアで展開する
- 今後もこうした取り組みについてアップデートを行う。来年さらに大きなプロジェクトに対して話せることを願う
感想
環境問題は、いま人類が抱える大きな問題といえます。それに対して、Amazonは非常に大きな覚悟を持って取り組んでいる、という意気込みが感じられる講演でした。
私の前職の企業では環境マネジメントシステムの規格であるISO14001(環境ISO)を取得し環境保護に取り組んでいましたが、電力消費量の削減の施策として、クラウド利用の推進を挙げていました。同じ施策を掲げる企業様も多いのではないでしょうか。
その場合、その企業で削減できる環境負荷はAWSなどのクラウドベンダーが代わりに担うこととなります。そのAWSが、紹介したように環境問題に積極的に取り組むことは、環境問題に大きな意味を持つでしょう。エンジニアが触る技術と直接関係はないトピックではありますが、AWSにインフラを持っていくことが多少なりとも環境保護につながるとすれば、良い話だなと思います。
以上、Monday Night Liveからサステナビリティについての話をピックアップしてのレポートでした。